手白癬(手の水虫)

手白癬(手の水虫)症状の現れ方

手白癬は片手だけに生じることが多く、鱗屑(りんせつ)を伴う角化傾向のある紅斑を示します。小水疱(しょうすいほう)を伴うこともあり、かゆみは軽度です。手の皮膚炎で最も多いのは手湿疹で、ほとんどの場合、両手に病変を生じます。したがって片手の時は手白癬の疑いがあります。
検査と診断
臨床症状だけでは白癬の診断はできません。区別が必要な皮膚病が多数あるので、顕微鏡を使った検査(直接鏡検)で特徴的な菌要素を検出することが診断の決め手になります。
 最も一般的に行われる直接鏡検KOH法はピンセット、ハサミ、メスなどを使って、病変部の鱗屑(りんせつ)、小水疱、丘疹、爪、毛などを採取し、スライドグラス上で、水酸化カリウム溶液を滴下して顕微鏡で観察します。白癬菌は少し褐色調で、分岐する傾向のある中隔をもつ菌糸、その菌糸がばらばらになった分節胞子(ほうし)、およびそれが連なった胞子連鎖としてみられます。
 培養検査は、菌種の特定のために行います。日常の診療に使う主な培地は、サブローブドウ糖寒天培地です。また、病変部が汚染されている時は、これに抗菌薬を加えると汚染菌の発育が抑えられて白癬菌が生えやすくなります。白癬の主要原因菌は、トリコフィートン・ルブルム(紅色菌)とトリコフィートン・メンタグロフィーティス(毛瘡菌(もうそうきん))です。

手白癬(手の水虫)治療の方法

 白癬の治療の基本は、白癬菌に対して抗菌力のある抗真菌薬の外用療法です。角質増殖型足白癬、爪白癬、ケルスス禿瘡などの病型、あるいは広範囲、難治性、再発性の症例では内服薬も使われます。
 外用療法の長所は、症状の消失や環境への菌の散布の抑制が早いこと、全身的な副作用がないことです。短所は、連日の塗布が必要で、面倒さや不快感、身体的ハンディキャップなどのため適切に行われないことがあること、あるいは行われても塗り残しなどがあることです。
 これに対して、内服療法の長所は、広範囲に薬剤がいきわたり、病変全体に確実に効くこと、最終的な治療効果が高いこと、塗布より簡便なことです。短所は、症状が消えるまでに外用薬より時間がかかることと、全身的な副作用が現れることがあることです。
 外用薬には多数の種類があり、イミダゾール系、アリルアミン系、ベンジルアミン系、チオカルバミン系、モルフォリン系などに分類されています。最近の薬剤は、共通して白癬菌に対する抗菌力が強くなるとともに、皮膚での貯留性、浸透性もよくなり、有効性が高まっています。また、用法は1日1回が基本で、入浴後か就寝前に塗るのが一般的です。  外用薬の基剤としては、クリーム剤、軟膏剤、液剤、ゲル剤があります。最も多く使用されるのはクリーム剤で、使用感もよく、安全性も比較的優れています。軟膏剤は安全性は高いのですが、べとつくなど使用感の点で問題があります。液剤とゲル剤は使用感がよく、薬剤浸透性も優れますが、じくじくした浸軟部(しんなんぶ)やびらんした(ただれた)局面では刺激感を伴うことがあります。外用薬の副作用で多いのは一次刺激と接触アレルギーです。
 白癬に対する内服薬としては、従来からあるグリセオフルビンに代わって、アリルアミン系のテルビナフィン(ラミシール)とトリアゾール系のイトラコナゾール(イトリゾール)が使われています。
 テルビナフィンは125mg錠を1日1回内服します。副作用は比較的少ないのですが、定期的な血液検査によるチェックが必要です。イトラコナゾールは、50mgカプセルを1日1回1ないし2カプセル内服しますが、爪白癬では、パルス療法が用いられます(後述)。副作用は比較的少ないのですが、併用してはいけない、あるいは併用に注意を要する薬剤が多くあるので、定期的な血液検査は必要です。

手白癬(手の水虫)リンク集

白癬では、治療を始めると症状が残っていても顕微鏡を使った検査で陰性化してしまうことがあります。そうなると正しい診断がつかないので、治療を行う前に皮膚科専門医を受診して検査を受けてください。
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